クリプト道場

クリプト・ブロックチェーンに関わる疑問を解説します

Synthetixの概要 初級者編

Synthetixは、オーストラリア発のプロジェクトであり、MakerDAOやdydxなどのサンフランシスコのインナーサークル以外から初めて生まれた本格的な規模の大きいDeFiプロジェクトである。

ここでは、Curveなどの他のDeFiとのComposabilityなどに踏み込むと、話が長くなってしまうので、そもそものSynthetixの基本機能に触れる。

基本機能

Synthetixは簡単に言うと、USドルや日本円、さらには金、ビットコインなどの様々な種類のアセットの交換を仲介者なしに実現することを目指したプロジェクトである。以下のように、USDやJPYと連動したアセットも現在取引することが可能である。

 

Synthetixの基本構造はMakerDAOと似ており、担保にしたアセットを元に、Synthetic Asset (sUSDやsETH)をmintすることが可能である。MakerDAOと異なる点は:

  • MakerDAOでは、DAIしか生成できないが、Synthetixでは通貨やコモディティなど多様なアセットが生成可能である
  • 担保にするアセットはETHではなく独自トークンのSNXだけである(現在は担保資産は増えている?)

Synthetixの担保率は500%以上であり、他のStablecoinやLendingと比べると資本効率が非常に悪いと一見は思ってしまう。

しかし、Synthetixでは、ペイメントシステムとしての役割も果たすため、発行したアセット(sUSDなど)を送金する際に、ガス代以外にSynthetix Feeという手数料がかかる。この手数料は、担保をステーキングしてるSNXホルダーが、その担保量に応じて受け取ることができる。よって、最低担保率が非常に高く、資本効率が悪い一方で、手数料を収集できると考えたら、悪い数字でもないと考えられる(トランザクション量による)。

sJPYは画像の左下の通り、0.05%の手数料がかかる

このSynthetix手数料は、スマートコントラクトによって払い出しが行われるため、取引所で行われるswapでも取引手数料は収集可能であり、是非コードでどのような挙動をしているのか見てみたいと思う。

まとめ

合成資産と聞くと、難しく感じるが、メカニズム自体はMakerDAOなどの仕組みを理解していれば非常に理解が簡単である。Synthetix手数料をスマートコントラクト内で設定することで、高い担保率であってもStakingするインセンティブを作り出す構造は非常に興味深いと言える。近々、他のDeFiとのコンポーサビリティや直近の動向も是非追ってみたいと思う。

参考

https://hashhub-research.com/articles/2019-04-04-synthetix-overview

https://hashhub-research.com/articles/2020-01-26-synthetix-activity