クリプト道場

クリプト・ブロックチェーンに関わる疑問を解説します

暗号資産のインフレとデフレについて

ビットコインイーサリアムといった暗号資産について調べていると、「年間XX%インフレーション」のような表記を見るが、これは何のことなのだろうか?

まず、トークンの量を測る指標を3つ紹介する。

①最大供給量:流通させるコインやトークンの最大数(ビットコインは2100万)

②総供給量:①のうち既に生成されたトークンから、burnされた、流通から引き出されたトークンを差し引いた量

③循環供給量:②のうち、Stakingされたトークンや、チームのアロケーションを引いた量

インフレ

多くの場合、トークンは時間と共に徐々に発行され、ある一定の時点で最大供給量に達する。ビットコインの例では、マイナーに報酬を与えるために、ブロックごとに新しいコインが生成される。そのため、総供給量は執筆時点で、年率1.7%の割合でインフレをする。これは、最大供給量の2100万BTCに対して1.67%の量のビットコインが新たに発行されるということである。

このように供給量が毎年増えているのに、ビットコインの価格が上昇トレンドにあることは、インフレ率をはるかに上回る需要があるからである。ここで、インフレ率を高くしすぎ、DeFiのStaking報酬などに配りすぎると、需要が追いつかずに、供給が増えすぎて、価格の低下を招いてしまう。

デフレ

インフレが徐々にトークンの枚数を増やすことを指すのに対し、デフレはトークンの枚数を減らすメカニズムであり、供給量を減らすことで、長期的な価格の上昇に有利に働く。具体的にはburnやbuy backが挙げられる。このようなアクションを取ることで、需要が供給を上回るように制御することがある。

このデフレの特徴的な事例としてBNB(Binanceプラットフォームで使う暗号通貨)がある。Binanceでは、取引所とBNB Chainでユーザーが支払った手数料を一部焼却するメカニズムが存在し、既に3600万枚以上のBNBがburnされている。

需要を生み出すユーティリティ

このように、暗号資産が長期的に成功(=価格の上昇)するために必要なことは、短期的な投機需要ではなく、そのユーティリティ(実用性)である。暗号資産におけるユーティリティは多く考えられる

前述のBNBは、既に100%発行されているにも関わらず価格が上昇し続けており、ユーティリティを生み出し需要を増やす一方で、burnをうまく組み合わせることで供給を絞っている。BNBを保有することのメリットは、以下が挙げられる。

まとめ

今回は、暗号資産における基本である需要・供給、そしてインフレ・デフレについて概観した。どんなに優れたプロジェクトでもトークノミクスがお粗末では、長期的にトークンの価格を上昇させることが難しい。

参考